
経営者向けに「本質的な幸せとは?」というテーマで、講話を行いました

2026年10月28日、約400名の経営者が在籍する「新経営戦略塾」さまのグループコンサルで、約2時間の講話を担当しました。テーマは「本質的な幸せとは?」です。哲学や仏教の考え方、マインドフルネスの研究、槙自身の体験をもとに、幸せと心の穏やかさについてお話ししました。
変化が激しい時代だからこそ、変わらないものを
AIによって、社会の土台が大きく変わりつつあります。変化の速さに不安を覚える方は、これから増えていくのではないでしょうか? だからこそ、体や心の仕組みのような変わらないものが支えになる、というのが講話の出発点です。槙は冒頭で「AIの変化の最先端を本業にしつつ、個人的なプロジェクトとしては、真逆のところをずっと探求してきました」とお話ししました。
幸せに正解はない。それでも、心は穏やかでいられる
幸せの考え方は、足るを知る、お金や地位、大切な人と過ごす時間、成長や達成、自由に生きることなど、人によってさまざまです。
人生もさまざまです。裕福で家族仲もよい人生、高収入でも仕事のストレスが限界の人生、収入は平均以下でも毎日が楽しそうな人生など、6つの人生を並べて「順番をつけるとしたら?」と問いかけました。順番をつけるのは、なかなか難しいものです。
人生のどこかで、幸せとは言いにくい出来事も起こります。講話では「人生ずっと幸せであり続けることは、できないかもしれない。それでも心は穏やかであり続ける。これはできるんじゃないか」という前提に立ち、そのための4つの話をしました。
・すべては移り変わる(色即是空):体も物も会社も、形あるものは変わり続ける。だから今この瞬間は一度きり
・心を乱すもの(執着):変わり続ける世界を「こうでなければ」と固定しようとするから、心が乱れる
・今に在る(マインドフルネス):頭の中のおしゃべりを静めて、今この瞬間の感覚に戻る
・穏やかさの先にあるもの(悟り):特別な体験ではなく、心が乱れても、すぐに戻ってこられる在り方
売上が落ちた月も、見え方が変わる
心が乱れるのは、移り変わる世界の一部を「変わらないでほしい」と固定しようとするときです。お金、健康、売上目標、家族や人間関係、評価や肩書き、そして「幸せで在り続けたい」という思いも、度が過ぎると執着になります。
経営者に身近な例として、売上が落ちた月の受け止め方を取り上げました。頭の中の思考に巻き込まれていると「去年より悪い」「来年はどうなるのか」「自分はダメだ」と、比較や不安、自分へのジャッジが次々に浮かびます。思考が静まった状態で見ると「今月はこの数字だった」と事実として受け止め、今できる一手を考えられます。槙は「出来事は同じなんだけど、見え方が違ってくる」と話しました。努力や目標を手放すのではなく、大切な活動は続けながら、結果に固執しすぎないという考え方です。
経営者こそ「今」に戻る時間を
経営者は、過去の決算の数字と、未来の売上目標の両側から押されやすい立場にあります。だからこそ、意識して「今」に戻る時間が支えになります。
槙自身、毎朝の散歩を続けていた時期に、うつ病で仕事ができなくなった経験があります。振り返ると、歩きながらもずっと仕事のことを考えていました。体の習慣だけでは足りず、心が今にあるかどうかが土台だった、という実感をお伝えしました。講話の中では、目を閉じて1分間、思考を止めてみる短いワークも行いました。
日常の中ですぐに取り組める形として、次の3つをご紹介しました。
・朝一番に、呼吸や体の感覚を手がかりに「今」に戻る
・執着に気づいたら、止めようとせず観察する
・自分にとっての「足る」を言葉にしておく
うまくできない日があっても気にしないことも大切です。「毎日やらなければ」と思うこと自体が、新たな執着になるからです。
思考を使うが、思考に使われない
AIを日々使う立場からの見立てもお話ししました。単純な思考の速さや量では、人はもうAIに及びません。槙は「『思考のモード』と『思考を止めたモード』を行き来して、必要なときだけ思考を使う。その切り分けが、AI時代にAIを超える唯一の頭の使い方なのかもしれない」と話しました。
努力も目標も大切にしながら「今」を大切にする。そうすることで、心は穏やかでいられる。時間の余白と心の余白を大切にする当社の考え方の、根っこにある話です。
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