AI顧問は、いつまで頼むものですか?|最初は集中、あとは軽く続ける

槙 優真
槙 優真代表取締役 / 現役AI顧問ジェネラルコンサルティンググループ株式会社

「AI顧問を頼んだら、いつまで続けるものなのだろう?」

月額のサービスを検討するとき、料金と同じくらい気になるのが、この点ではないでしょうか?一度頼んだら、ずっと払い続けることになりそう。やめどきが分からないまま、何となく続いてしまいそう。そうした心配です。

先に結論を書きます。AI顧問は、ずっと同じ濃さで頼み続けるものではありません。私がおすすめしているのは、時期によって関わり方の濃さを変える頼み方です。

  1. 最初は、集中して取り組む。社内の人が自分でAIを使いこなせるようになるまで、相談の回数を多めに取り、会社全体の仕事の進め方を変えていく時期です
  2. 落ち着いたら、軽くつながっておく。変化の速いAIの動きを定期的に確認しながら、自社で新しい課題が出たときに、いつでも相談できる体制にしておく時期です

使いこなせるようになったところで、区切る選択もあります。ただ、私は関わり方を軽くして続けるほうをおすすめしています。AIは変化が速く、離れていると、いつの間にか浦島太郎のようになりかねないためです。

使いこなせるようになったあとを、どうするか。終わり方を先に考えておくと、最初の数ヶ月の使い方が変わります。AI顧問の役割や選び方は中小企業のAI顧問とは|役割・月額相場・選び方に、契約したあとの中身はAI顧問は実際に何をしているのかにまとめました。

1. AI顧問はいつまで続けるものですか?

1-1 契約の形は会社によって幅があります

まず、契約上の「いつまで」です。AI顧問の契約期間は会社によって幅があります。年間契約や最低6ヶ月の契約もあれば、1ヶ月単位で更新し、いつでも終えられる形もある。料金体系ごとの違いはAI顧問の月額相場で整理しました。

検討の段階で見ておきたいのは、次の4点です。

  • 最低契約期間があるか
  • 途中で終えるときに、違約金がかかるか
  • 終える手続きは、いつまでに何をすればよいか
  • 途中でプランを変えられるか

1-2 「何ヶ月」ではなく「今どの時期か」で考える

契約の形が分かっても、実際にいつまで続けるかは別の話です。

期間を区切って進めるプロジェクト型のAIコンサルは、3ヶ月や1年といった終わりが最初から決まっています。一方、月額の顧問には、決まった終わりがないことがほとんどです。どう続けるかは、頼む側が自分で決めることになります。

ここで「半年」「1年」と期間で決めようとすると、なかなか決まりません。会社によって、進む速さがまるで違うためです。考えやすいのは、今どの時期にいるか、のほうではないでしょうか?集中して取り組む時期なのか。落ち着いて、つながっておく時期なのか。時期が変われば、関わり方の濃さも変えます。

2. AI顧問との関わり方は時期によってどう変わりますか?

2つの時期を並べると、次のようになります。

集中して取り組む時期 つながっておく時期
目的 社内の人が、自分でAIを使いこなせるようになる AIの変化に置いていかれない。自社特有の課題を相談できる
話すこと 業務の洗い出し、AIに任せる仕事の優先順位、仕組みの立ち上げ 押さえておきたい変化、任せる範囲の見直し、その時々の経営の相談
関わり方の濃さ 相談の回数を多めに取り、日常的にチャットでやり取りする 定期的な相談やチャットで、軽くつながる

どちらか一方を選ぶ、という話ではありません。最初の時期と、そのあとの時期を組み合わせます。最初から最後まで同じ濃さで続ける必要はなく、時期が変わったら、濃さを変えればよいわけです。

3. 集中して取り組む時期に何をしておくとよいですか?

クライアントAさまは、最初にご相談いただいてから半年あまりで、自分たちでAIを使いこなせる状態になりました。

その間、手を動かしていたのは、ほとんどがご本人たちです。画面を共有して話した回数は、片手で数えられるほどでした。Aさまがしていたこと、していなかったことを書きます。

3-1 していたこと

  • 頼む目的が、最初からはっきりしていた。AIを仕事で使えるようにならないと、この先やっていけない。出発点はこの危機感でした。目的が言葉になっていたので、そこに届いたかどうかを自分たちで判断できたのだと思います
  • 社長と実務の担当の方、お二人で手を動かしていた。それぞれがご自分の仕事でAIエージェント(指示を受けて、パソコン上の作業まで進めるAI)を使い、片方の作業をもう片方が手伝う場面もありました
  • 相談したいことを、事前に送っていた。コンサルの前に質問が届いているので、当日はその答えから始められます
  • 実際の業務を持ち込んでいた。AIに任せたい業務があるが、同じ場所に触らせたくないデータも入っている。どう守ればよいか、という相談がありました。「触らないで」とAIに頼むより、その場所に鍵をかけて、鍵をAIに教えない。その場で、この方向に落ち着きました

3-2 していなかったこと

  • 顧問に作業を任せていなかった。作るのも、試すのも、ご本人たちです。こちらは、詰まったところを一緒に解決する役でした
  • 分からないところを、コンサルの日まで寝かせていなかった。操作を間違えて回り道をしても、AIに聞きながら自分たちで進めていました
  • 聞くことがないまま、同じ形で続けていなかった。やりたかったことを一通り形にしたあと、お二人で「次のコンサルで何を聞こうか」と話し合っても、すぐには思い当たらなかったそうです。やり切ったうえで、聞くことが出てこなくなった。集中して取り組む時期が終わった合図でした

3-3 前に進む会社に共通していること

顧問は代行ではありません。手を動かすのは会社の側で、こちらは方向と優先順位を一緒に決める役です。

この時期のコンサルは、説明を聞く時間を減らし、自分の画面で、自分の仕事を題材に手を動かす時間にします。前に進む会社に共通しているのは、コンサルの翌日に誰かが一度でも触っていることです。

4. 使いこなせるようになったあとはどうするのがよいですか?

4-1 区切るという選択

Aさまは、ここで月額の顧問を区切る形を選ばれました。AIを仕事で使えるようにする、という目的はおおむね果たせた。そのような連絡をいただいたのが、きっかけです。

手続きは、こちらが翌月の請求書を出さないだけ。月末までは、チャットでの質問もそのまま受ける形にしました。そのあとは、分からないことが出てきたときに、単発で相談いただきます。これも、つながり方の1つです。

最後の回に、私からはこうお伝えしました。

「理想は、ご自分でAIを使いこなして、私がいなくても何でもできる状態です。その結果として利益が増え、時間にも余白が生まれる。お二人は、もうそこに近いと思います」

4-2 私のおすすめは軽くつながっておくこと

区切る選択を尊重したうえで、私のおすすめは、関わり方を軽くして続ける形です。理由は3つあります。

  • 押さえておきたいAIの変化を受け取り続けられる。AIは、半年経つと使える道具が入れ替わっています。すべてを追う必要はありませんが、自社の仕事に関わる変化だけは押さえておきたい。顧問と定期的にやり取りをしていると、その会社に関係のあるものだけを選んで受け取れます
  • 自社特有の課題をいつでも相談できる。会社を経営していると、これまでの経緯、取引先との関係、人の事情といった制約の中で、その会社だけの課題が必ず出てきます。調べても、答えはどこにも載っていません。会社の事情を知っている相手に、その都度相談できることに意味があります
  • できることが増えるたびに任せる範囲を広げられる。一通り使えるようになっても、AIの進歩で、できることは増え続けます。少し前まで人がやるしかなかった作業が、任せられるようになる。そのたびに、どこまでをAIに任せ、どこを人が持つかを引き直します

クライアントBさまは、最初の相談の時点で、すでに独学でAIをかなり使いこなしていました。それでも、コンサルは半年以上続いています。業務の自動化をどの方法で組むかの比較から始まり、新しいサービスの構想へ。そこから、AIエージェントを安全に使うための設定、書く仕事をAIに任せる仕組みへと、相談の中身が移ってきました。

10ヶ月以上続いている別の会社では、AIそのものの話は毎回2〜3割ほどです。残りは、組織づくりや採用といった経営全般の相談に使われています。資金繰りが厳しくなった時期に、相談の中身が売上の話から固定費の見直しへ丸ごと変わった会社もありました。

使い方を教わる時期が終わっても、相談することは無くなりません。中身が変わっていきます。

5. 関わり方の濃さはどう切り替えればよいですか?

5-1 最初は手厚く始めて落ち着いたら軽くする

料金プランが複数ある顧問なら、時期に合わせてプランを変える方法があります。

  • 最初:相談の回数が多く、日常的にチャットでやり取りできるプランで、集中して取り組む
  • 落ち着いたら:定期的な相談やチャットでつながっておけるプランに変える

関わり方が軽くなれば、毎月の費用も抑えられます。続けるか、やめるか、の二択にしなくて済むわけです。

5-2 切り替えの目安を最初に言葉にしておく

集中して取り組む時期の終わりは、期間ではなく状態で決めます。たとえば次のようなものです。

  • 時間のかかっている業務を1つ、社内の人だけでAIに任せて回せる
  • AIを使える人が、社内に2人以上いる
  • 分からないことを、まずAIに聞いて解決できる
  • 考えられる範囲の効率化をやり切り、これだけできれば十分だと思えている

最初のコンサルで、この目安を顧問と共有しておきます。あとは毎月、どれだけ近づいたかを一緒に見るだけです。

気をつけたいのは、聞くことが思い浮かばない、という状態です。AIで何ができるのかがまだよく分からず、聞くこと自体が出てこない。このケースはかなり多く、むしろ集中して取り組む時期を続けたほうがよい合図になります。効率化をやり切って聞くことが無くなった状態とは、見た目が似ていても中身が違います。

5-3 避けたいのは手が動かないまま月日が過ぎること

次回までに取り組むことを1つに絞っても、その1つが進まない。翌月も、その翌月も、同じところから話が始まる。私が見てきた範囲でも、この形になることはあります。本業が忙しく、AIに触る時間が取れない時期が続くと起きやすい形です。

目安に近づいていない月が続くなら、それも大事な合図になります。取り組むことを減らす、担当を変える、関わり方を軽くする、一度止める。早めに手を打てば、費用だけが積み重なる形を避けられます。

5-4 当社の場合

当社の顧問サービスには、立ち上げの時期に集中して取り組むプランと、定期的な相談でつながるプランがあります。プランは月単位で変更できるため、最初は手厚く始めて、落ち着いたら軽くする使い方ができます。契約は1ヶ月単位の更新で、違約金はありません。

料金は月5万円からで、代表本人が対応します。プランの中身はサービス詳細ページをご覧ください。どの濃さから始めるかを、頼む前に一緒に考えるところからでも構いません。無料の壁打ちで、今の状況を聞かせていただければと思います。

6. まとめ

  • AI顧問は、ずっと同じ濃さで頼み続けるものではありません。時期によって、関わり方の濃さを変えます
  • 最初は集中して取り組む時期です。社内の人が、自分でAIを使いこなせるようになることを目指します
  • 使いこなせるようになったあとは、区切る選択もあります。私のおすすめは、定期的な相談やチャットで軽くつながっておく形です
  • つながっておくと、押さえておきたいAIの変化を受け取れ、自社特有の課題を相談でき、任せる範囲を広げていけます
  • 切り替えの目安は、期間ではなく状態で決めて、最初に言葉にしておきます

7. FAQ|AI顧問の期間と続け方についてよくある質問

Q1:AI顧問の契約期間はどのくらいが一般的ですか?

A. 会社によって幅があります。年間契約や最低6ヶ月の契約もあれば、1ヶ月単位で更新できる形もあります。検討するときは、最低契約期間・違約金・終えるときの手続き・プラン変更の可否を確認しておくと安心です。当社は1ヶ月単位の更新で、違約金はありません。

Q2:どのくらいで自分たちで使いこなせるようになりますか?

A. 会社によって大きく変わります。私が見てきた範囲では、早い会社は最初の相談から半年あまりで、自分たちで回せる状態になりました。期間を左右するのは、AIの知識の量より、社内に手を動かす人がいるかどうかです。

Q3:使いこなせるようになったあとも続ける意味はありますか?

A. あります。AIは変化が速く、一通り使えるようになっても、できることは増え続けるためです。押さえておきたい変化を受け取れること、自社特有の課題をその都度相談できることが、続ける理由になります。関わり方は、最初の時期より軽くして構いません。

Q4:途中でプランを変えることはできますか?

A. 会社によって異なるため、契約の前に確認しておくことをおすすめします。当社は月単位での変更が可能です。最初は集中して取り組むプランで始め、落ち着いたら軽いプランに変える使い方も、その逆もできます。

Q5:一度区切ったあとにまた相談したくなったらどうすればよいですか?

A. 顧問を区切った会社からの単発の相談は、お受けしています。新しい道具が出たとき、任せる範囲を広げたいときなど、節目だけ使う付き合い方でも構いません。月額に戻ることもできます。

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執筆者

槙 優真

ジェネラルコンサルティンググループ株式会社 代表取締役

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