AI顧問は実際に何をしているのか|月1回のコンサルで話していること

槙 優真
槙 優真代表取締役 / 現役AI顧問ジェネラルコンサルティンググループ株式会社

「契約したら、何をしてもらえるのですか?」

「ほかのクライアントは、どんなことを相談して、どんなふうに進めているのですか?」

無料相談で、こうした質問をよくいただきます。料金や契約期間はサイトに書いてあっても、契約したあとの中身は外から見えないためだと思います。

先に結論を書きます。私が見てきた範囲では、AIの使い方を教える時間は、コンサル全体の3〜5割ほどです。残りの時間は、その会社が今どこを触るべきか、つまり「どれを・どの優先度で・どう進めるか」を一緒に決めることに使っています。

AI顧問という仕事の定義や月額の相場は中小企業のAI顧問とは|役割・月額相場・選び方にまとめました。この記事では、その先にある「契約したあと、毎月何が起きているのか」だけを書きます。

1. 月1回のコンサルは、こんな流れで進みます

当社の顧問サービスは、月1回のオンラインコンサルが土台です。1回あたりの目安は60分。プランによって時間が長くなったり、チャットでのやり取りが加わったりします。参加者は社長おひとりのこともあれば、マーケティング担当やバックオフィスの担当者が同席することもあります。

1-1 コンサル1回の中身

おおむね、次の順番で進みます。

  1. 前回からの進み具合を聞く(5〜10分)。前回決めたことが進んでいなくても構いません。どこで引っかかったのかを聞くところから、その日の話が始まります
  2. 今回持ち込まれた相談を聞く(15〜30分)。事前に質問をいただいていれば、それを上から順に扱います
  3. 画面を共有して、その場で手を動かす(20〜60分)。ChatGPT・Gemini・ClaudeやClaude Code、マーケティング用のツール(Google アナリティクスや広告の管理画面、売上の表など)をそのまま開いて、AIに読ませながら一緒に見ます
  4. 次にやることを1〜2個に絞る(5分ほど)。3つ以上はお伝えしません

こちらは画面にメモを取りながら聞いています。会社の全体像と、その日に出てきた論点を、その場で書き留めるためです。

1-2 持ち物は「今、迷っていること」だけです

事前に用意していただくものは、基本的にありません。

「頭の中を整理してから相談しよう」と考えて、そのまま数ヶ月動けなくなる方がいます。整理そのものがコンサルの仕事なので、整理されていない状態でお持ちいただいて構いません。

ひとつだけ、おすすめしていることがあります。相談したい内容を、事前にチャットで送っておいていただくことです。当日までにこちらで下調べと準備をしておけるので、同じ60分でも密度がかなり変わります。

クライアントAさまとの初回は、こちらから会社の全体像を聞き取るところから始まりました。拠点と人数、売上に占めるリピートの比率、今の売上をつくっている施策の内訳と、それぞれにいくらかけているか。ここまで聞いて、ようやく「どこから触るか」の話ができます。

初回に必ずお伝えするのは、AIが勝手にお客さんを連れてくる魔法はない、ということです。今まで頭を使って手を動かしてやってきたことを、部分的に効率化していく。地に足のついた活用は、そこからしか始まりません。

2. コンサルで実際に話していること|相談は大きく3つの方向に分かれます

会社によって中身はかなり違いますが、相談の方向は大きく3つに分かれます。

2-1 方向1:AIで効率化しながら、売上も増やす

私が見てきた範囲で、最も多いのがこの方向です。AIで社内の業務を効率化しつつ、マーケティングの壁打ちもして、新しいお客さんを増やす方向も一緒に考えていきます。

会社にはさまざまな業務があり、Web集客やマーケティングはその一部です。そのため、AI全般とマーケティングの両面をまとめて相談いただくことが多くなります。

クライアントBさまとは、10ヶ月以上にわたって月1回話しています。マーケティング側では、Webサイト改修の優先順位づけや、売上が落ちた原因の切り分け(Google アナリティクスの数字を一緒に読み、Web上には問題がなく別の要因が濃厚だと絞り込む)。AI側では、議事録ツールの比較から始まり、経営の相談相手としてのChatGPTの使い方、Claude Codeで自分のツールを作るところまで、段階的に深まっていきました。

この会社の場合、AIそのものの話は毎回2〜3割ほどです。残りは、組織づくりの考え方、採用、拠点の統合、銀行との付き合い方といった、経営全般の壁打ちに使っています。労務や組織文化の問題は、最後までAIでは解けませんでした。一方で、分析と下調べと文章作成は、かなりの部分がAIに移りました。

クライアントAさまとの初回では、社内の業務を棚卸しして、AI化の費用対効果で優先順位を決めたい、という進め方が会社側から出てきました。売上をつくる体制がすでにある会社なので、そこへのAI活用と、社内業務のコストダウンを並行して見ています。

2-2 方向2:AIによる効率化とコストダウンに絞る

クライアントCさまでは、経理が入口でした。案件ごとに契約の条件が違い、期限の決まった書類仕事が特定の時期に集中する。契約書をめくりながら手で処理していて、繁忙期に負荷が集中する。担当の方の「イレギュラーが全てなんです」という言葉が、この業務の性質をよく表していました。

ここでお伝えしたのは、AIの得意と苦手を先に分けることです。AIは、電卓なら間違えないような計算を間違えることがあります。だから計算はAIに書かせたプログラムにやらせて、AIには業務の設計と判断のほうを任せる。この線を引くだけで、任せられる範囲と任せてはいけない範囲がはっきりします。

この会社は、無料相談から顧問の初回まで半年空きました。その半年のあいだに、ご本人たちがAIエージェントを使うところまで自力で進んでいました。久しぶりのコンサルは、教える時間ではなく認識を合わせる時間になり、相談の中身は使い方から「次にどこへ手を伸ばすか」へ移りました。

2-3 方向3:マーケティングの相談に絞る

マーケティングの相談は多くはありませんが、実際にあります。ただし、その中でもAIはフルに使います。

クライアントDさまとは、売れないLP(商品の紹介ページ)の原因を顧客心理から探る回が続きました。柔らかさを伝える表現を一生懸命考えていたが、必要なのはそれではなかった。経営者ご自身がそう気づいた回です。改善する箇所は、当社で持っているLP分析用のAIツールで洗い出しています。ECサイトの見た目を整えるコードを、クライアント側でAIに書かせることもあります。

2-4 3つに共通すること

どの方向でも共通しているのは、AIの使い方を教えることが仕事の3〜5割ほどで、残りは別のことに使っている、という点です。利益を増やすため、あるいは特定の業務を効率化するために、どれを・どの優先度で・どう進めるか。経営の視点で優先順位をつけて、一緒に進めていきます。

社長の意思決定のサポートにとどまる会社もあれば、社内の実務にAIの自動化フローを実装して組み込むところまで一緒に行う会社もあります。

3. AIの使い方だけの話にならない理由|足す前に、引いているから

当社の顧問は「整えて、作って、回す」という順番で進めます。AIを足す前に、まず引く。コンサルがAIの使い方の説明で終わらないのは、この順番のためです。

3-1 整える(引き算)|まず、やめることと減らすことを決める

独学でAIを少し使い始めた社長ほど、やることが増えて疲れています。新しいツールの情報を追い、試し、判断する。増えたぶんだけ時間と気力が削られていく。

そこにさらにAIを足しても、空回りします。だからコンサルの前半は、減らす話・やめる話になりがちです。

実際によく出てくるのは、次のような判断です。

  • 着手はコストダウンから。コストダウンは確実に効きますが、新規のお客さんを増やす施策には運の要素が絡みます。順番を逆にすると、成果が出る前に気力が先に尽きてしまうことがあります
  • 広告の管理画面がオススメしてくる自動の設定を、いくつかオフにする。プラットフォーム側のおすすめに全部乗ると、費用対効果が落ちることがあります
  • AIへの丸投げをやめる。SEO記事をAIに丸ごと書かせると、Web上のどこかで読んだような記事ができます。誰でも作れるものは、集客の役に立ちません
  • 人の工程でAIの工程をはさむ。最初に人がしっかり指示を出し、途中をAIに任せ、最後に人が最終チェックとブラッシュアップをする。サンドイッチのような形にしておくと、AIの出力をそのまま使う事故が減ります

「全部を楽にすればいい」というわけでもありません。クライアントEさまの社長からは、日報をAIで短くまとめさせると、書いた本人が頭を使わなくなって次につながらないのでは、という懸念が出ました。楽にする自動化と、あえて考えさせる仕組み。どちらを選ぶかは業務ごとの判断で、ここもコンサルで一緒に決めています。

3-2 作る(足し算)|残った仕事に、繰り返し使える形を与える

引いたあとに残った仕事へ、ようやくAIを足します。

このとき、いきなり大きな自動化は組みません。クライアントFさまでは、まず読み上げやすいテキストに変換するプロンプト1本から始めました。小さな部品がうまく動かないまま組み合わせると、全体がおかしなものになる。ご本人がそう表現されていました。小さく作って、効くことを確かめてから積み上げます。

同じ考え方は、投資の判断にも出てきます。この開発でいくら入ってくる目処が立つのか。そこが見えない段階で大きく作らない、というブレーキです。

3-3 回す(PDCA)|作ったものを、続く形にする

作った仕組みは、放っておくと使われなくなります。

AIツール、自動化フロー、社内の仕組み、そして判断そのもの。作ったものをPDCAで回し続けます。一次情報を入れ直す、両端(最初の指示と最後の判断)を人が握り直す、優先順位を選び直す。月1回のコンサルは、このPDCAを止めないための装置でもあります。

4. 顧問がうまく働かないとき|社内で手を動かす人がいない会社では進みません

うまくいかなかった例も書いておきます。

クライアントEさまは、AIがまったくの未経験で、使い方が分からない、無料版のままでいいのか、というところからのスタートでした。方針は2つに絞りました。利益を改善するために、まず売上側の施策を強化して運用を整えていくこと。そして社内でのAI活用を進めて効率化を図り、実質的にコストを下げていくこと。次回までに取り組むことは、1つだけに絞ってお伝えしました。

ところが、その1つが進みません。翌月も、その翌月も、同じところから始まりました。数ヶ月続いたあと、契約は終了になりました。

顧問は代行ではありません。手を動かすのは会社の側で、こちらは方向と優先順位を一緒に決める役です。だから、月1回の60分より、あいだの30日のほうがはるかに大事です。

前に進む会社に共通しているのは、コンサルの翌日に誰かが一度でも触っていることです。社長本人が理想ですが、難しいときは社内の幹部や、AI推進の担当者(AIリーダー)に手を動かしてもらう形でも構いません。社内で責任を持って取り組む人が1〜3人、しっかり手を動かせること。これが欠かせない条件です。

うまくできなくても構いません。触ってみて詰まったところが、次のコンサルでいちばん良い議題になります。逆に、社内に手を動かす人がいないまま数ヶ月が過ぎると、そのあと巻き返すのはかなり難しくなります。

5. 費用に対して、何が残るのか

最後に、いちばん気になるところだと思います。

5-1 金額に換算できるもの

当社自身の数字は、そのまま出せます。

やったこと
SEO記事の作成 1記事2〜3万円ほど 実質0円(AIの月額料金の範囲内で、何本でも作れる)
YouTube動画の編集 1本2〜3万円ほど 実質0円(同じくAIの月額料金の範囲内)
自社Webサイトの制作 外注相場で200万円規模 年間約1万円(AIで作る。運用保守はサーバー・ドメイン代程度)

時間が浮いたぶんの物差しも1つ持っておくと便利です。1日1時間の作業が消えると、社員1人の人件費で見ておよそ月3.75万円ぶんになります。

クライアントの側は、金額を伏せて書きます。クライアントGさまは、ご自身(社長)にしかできなかった提案書の作成、営業提案、クロージングといった業務をAIで大幅に効率化しました。その結果、今ではしっかりと休みを取れるようになっています。翻訳の外注を社内でまかなえるようにした会社もあります。定型のやり取りをAIのエージェントに任せて、1時間かかっていた仕事が1分になった、とご本人が書かれていた例もあります。ただしこの方はもともと技術的な素養がかなり高く、誰もがここまで行くわけではありません。

5-2 金額に換算できないもの

数字にならないほうが、続けるうえでは効いてきます。

  • 迷う時間が減る。やらないと決めたことに、もう頭を使わなくて済みます
  • 線引きが社内に残る。これはAIに任せる、これは人が握る、という判断の基準が言葉になって残ります
  • 相談先があること自体。資金繰りが厳しくなった時期に、コンサルの内容が売上の話から固定費と立て直しの話に丸ごと変わった会社もあります。そういう月があっても、月1回の枠はそのまま使えます

利益が増えて、同時に余白も増える。当社が「実利と余白」と呼んでいるのは、この2つを別々に追わないという考え方です。

5-3 料金

料金は月5万円からで、代表本人が対応します。契約は月単位で、合わないと感じたときにいつでも終われる形にしています。プランの中身はサービス詳細ページにまとめています。

合う・合わないは、会ってみないと分からない部分があります。無料の壁打ちで一度話してみて、フィーリングを確かめてからで十分だと思います。

6. まとめ

  • 月1回のコンサルは、進み具合の確認 → 相談 → 画面を共有して手を動かす → 次の1〜2個を決める、の流れで進みます
  • 相談の方向は、AIで効率化しながら売上も増やす(最も多い)/AIによる効率化に絞る/マーケティングに絞る、の3つに分かれます
  • どの方向でも、AIの使い方を教える時間は3〜5割ほどです。残りは、どれを・どの優先度で・どう進めるかを、経営の視点で一緒に決めることに使っています
  • 手を動かすのは会社の側です。社長本人か、社内で責任を持つ1〜3人が、コンサルの翌日に一度触るかどうかで進み方が変わります
  • 残るものは、金額に換算できる実利(利益)と、換算できない余白の両方です

7. FAQ|AI顧問のコンサルについてよくある質問

Q1. コンサルでは、何を準備しておけばいいですか?

A. 特にありません。今いちばん迷っていることをそのままお持ちください。会社の全体像はこちらから質問して聞き取ります。相談したい内容を事前にチャットで送っていただければ、当日までにこちらで下調べと準備をするので、60分の密度が上がります。

Q2. AIにまったく詳しくないのですが、契約できますか?

A. できます。実際、使い方が分からないところから始める会社のほうが多いです。ただし社長ご自身か、社内で責任を持つ方が、月に一度でも手を動かすことは必要になります。そこだけは代わりにできません。

Q3. 実際に手を動かして作ってもらえますか?

A. コンサル中に画面を共有して、一緒に手を動かすところまで行います。プロンプトや自動化フローをその場で組み立て、社内の実務に組み込むところまで一緒に進める会社もあります。一方で、規模の大きいシステム開発は顧問の範囲外です。必要な場合は開発パートナーを紹介しています。

Q4. 月1回では足りない気がします。

A. コンサルに加えてチャットで随時やり取りできるプランや、立ち上がりのあいだだけ回数を増やすプランがあります。プランの中身はサービス詳細ページをご覧ください。

Q5. 効果が出るまでどのくらいかかりますか?

A. コストダウンは比較的早く、着手した業務から順に効いてきます。新規のお客さんを増やす側は運の要素も絡むため、時間の見積もりが難しいです。だからこそ、着手はコストダウンからにしています。

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槙 優真

執筆者

槙 優真

ジェネラルコンサルティンググループ株式会社 代表取締役

現役のAI顧問として、中小企業の経営者に月額5万円〜で直接伴走中。AI活用と売れる仕組みの両輪で、「実利」と「余白」を同時に高める伴走支援を提供しています。

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