お客様だけでなく、AIにも"見つけられる"時代の集客

槙 優真
槙 優真代表取締役 / 現役AI顧問ジェネラルコンサルティンググループ株式会社

※この記事は、ポッドキャスト『実利と余白』エピソード#17「お客様だけでなく、AIにも“見つけられる”時代の集客」の内容を記事化したものです。

【音声で聴く方はこちら(約15分)】

🎧 https://www.general-cg.com/podcast

(テキストで読む方は、このまま読み進めてください)

1. 要点のまとめ

  • これからの集客は、お客様の目だけでなく、AIの目にも見つけてもらう時代に入ってきた
  • 数日前にGoogleが公式に出した「AI検索向けの対策ガイド」は、"特別な対策は不要、これまで通り、お客様に役立つ良い情報を発信し続けること"という意外な内容
  • Googleの抽象的な回答を紐解くと、効くのは地味な2つの打ち手:①サイトに客観的な数字を散りばめる、②プレスリリースで第三者からの言及を増やす
  • 誰でも書ける情報はAIで量産されるので、価値が出るのは"あなたの会社にしかない実体験・視点"
  • 焦って手数を増やすのではなく、希少性のある軸に絞って地味に磨く

※ポッドキャストでは、より詳しく丁寧にお話ししています。音声での視聴が1番オススメです。

2. 評価者が「お客様」だけじゃなくなってきた

最近、こういう話を聞く機会が増えてきました。私のクライアントのBtoB事業会社で、ChatGPTの回答に自社が紹介されて、そこから問い合わせが入って商談につながった、という事例。また地方在住のフリーランスのライターさんからも、お客様がAIに聞いたら自分が出てきて、そこから仕事が決まった、と聞きました。

これまで、皆さんが自社のホームページや商品ページを書くとき、頭の中にいたのは「お客様」だったはずです。お客様にどう伝わるか、どう感じてもらえるか。これが集客の王道でした。

ところが今、お客様の前に"もう一人の評価者"が現れています。それがAIです。AIの評価軸に引っかからなかった会社は、お客様の目に触れることすらない。だからこれからは、お客様に届く前に、まずAIに見てもらう必要が出てくる。これまでは"お客様の目"だけを意識して集客していれば良かったのが、これからは"お客様の目"と"AIの目"、両方に見つけてもらう必要が出てきているんです。

3. Googleの公式回答は地味だが、紐解くと"やること"が見えてくる

世の中ではすでに、去年あたりから「AIO」とか「LLMO」といったAI向けの新しい横文字の対策手法が盛り上がっていて、SEO系の集客支援会社が、AI時代向けの新サービスとして各社に提案を始めている状況です。

そんな中、数日前にGoogleが公式に「AI検索向けの対策ガイド」を出したのですが、その公式回答はこうでした。"AI検索のための特別な対策は、必要ありません"。"これまで通り、お客様に役立つ良い情報を、誠実に発信し続けてください"と。AI向けの特別な書き方や技術的な仕掛けは全部いりません、と名指しで否定したわけです。

ただ、Googleの言うことは抽象的なので、これを紐解いて当たり前の集客の打ち手に落としていくと、昔から言われてきたことがちゃんと出てきます。今日はそのうち、特に効くものを2つご紹介します。

4. 打ち手①:サイトに"数字"を散りばめる

1つ目は、ホームページや商品ページに"客観的な数字"をしっかり載せる、ということです。

マーケティングで有名な佐藤尚之さんの本『AIに選ばれ、ファンに愛される。』にも、感想ではなく定量的な数字を入れることが大事、という趣旨の話が出てきます。たとえば、創業何年、累計実績何件、顧客満足度何%、リピート率何%──こういう"客観的に判断できる数字"を散りばめておく。

これ、人間にもAIにも効きます。「すごく良いサービスです」とふんわり書かれているより、「導入企業1,200社、満足度94%」と数字がある方が客観的に判断しやすいじゃないですか。AIも同じで、数字があると引用しやすく、信頼性の根拠として使えるんですよね。

経営者の皆さん、ぜひ今日の記事を読み終えたあとに、自社のホームページを開いて、もしくは担当者の方に「うちのサイト、数字がしっかり入ってるか見てくれない?」とお声がけしてみてください。意外と、感覚的な表現ばかりで数字が抜けているケースが多いです。

5. 打ち手②:プレスリリースで第三者からの言及を増やす

2つ目は、プレスリリースを活用することです。PR TIMESのような配信プラットフォームから出すと、これがAIにも人間にも効きます。

なぜかというと、自社サイトに「うちは良い会社です」と書いているのと、第三者のメディアに取り上げられているのとでは、信頼感の重みが違いますよね。人間も「メディアで取り上げられた会社なんだ」と判断するし、AIも"複数の情報源から言及されている会社"として評価しやすくなる。担当者の方に「今期、うちプレスリリース何回出してる?」と聞いてみると良いかもしれません。

正直にお話しすると、プレスリリースは私自身、そこまで得意な領域ではなくて、自社でも、これから本格的に試してみようとしている段階です。顧問の立場としては、本来は自分の会社で試してから顧問先にお伝えするのが筋なので、今回はちょっとフライング気味でお話しした、ということも正直にお伝えしておきます。ここは私も、これから一緒に学んでいくところだと思っています。

6. 焦らず、希少性のある軸に絞って積み上げる

最後に、一番お伝えしたいことを。

こういう"新しい時代が来た"という話を聞くと、"焦り"を感じる方は少なくないのではと思います。「乗り遅れたらマズい」「何か新しいことをしないと」と。そしてその焦りから、SEO記事やコラム記事をどんどん投稿したり、それと並行してSNSの発信本数も増やしてみたり、と"とにかく打ち手を増やそう"という方向に動く方が多いです。

でも、私が顧問先やAI研修の場でよくお伝えしているのは、その逆で、「他の人でも書ける情報は、もう書かなくて良い」ということなんです。なぜかというと、誰でも書ける一般的な情報は、これからAIで簡単に量産されていく。量産できるものに希少性はないので、AIにも人間にも、もう選ばれる理由がなくなっていく。逆に、あなたの会社の現場で起きた具体的な話、お客様との実体験──こういうものは、AIにも他社にも作れない。希少だからこそ価値が出てくるんですよね。

それから、顧問契約のいちばん最初に必ずお伝えしているのが、「手数を絞る」という話です。特に中小企業さんはリソースが限られています。なので、薄く広くではなく、成果が大きく見込めるものに優先度を一気に上げて集中する。その代わり、他の施策は優先度を下げる、場合によっては「もうやらない」と決めてしまう、ということもお勧めしています。この"何をやめるか"の整理は、社内だけでやるのはなかなか難しい部分なので、私のような外部の顧問にご相談いただくことも多いです。

7. まとめ

  • これからの集客は、お客様の目だけでなく、AIの目にも見つけてもらう時代に入ってきた
  • Googleの公式回答は"特別な対策不要"。これまで通り、お客様に役立つ良い情報を誠実に発信し続けることが王道
  • 効くのは地味な2つの打ち手:①サイトに客観的な数字を散りばめる、②プレスリリース等で第三者からの言及を増やす
  • 誰でも書ける情報はAIで量産されるので、価値が出るのは"あなたの会社にしかない実体験・視点"
  • 焦って手数を増やすのではなく、希少性のある軸に絞って地味に磨く

新しい横文字や派手な対策に目を奪われそうになったときほど、Googleの言う"お客様に役立つ良い情報を誠実に発信し続ける"という地味な王道に立ち返ってみてください。そのうえで、ぜひ今日から、自社のサイトに数字が入っているか、プレスリリースは打てているか、まずは1つ確認してみてください。

皆さんが実利を得て、心に余白を持って、幸せに生きられることを祈っております。

槙 優真

執筆者

槙 優真

ジェネラルコンサルティンググループ株式会社 代表取締役

現役のAI顧問として、中小企業の経営者に月額3万円〜で直接伴走中。AI活用と売れる仕組みの両輪で、「実利」と「余白」を同時に高める伴走支援を提供しています。