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📌 この記事は、前回『#13 過剰なClaude Codeブームの裏側で、見落とされていること』の続報です。あわせてどうぞ。
1. 要点のまとめ
- 4月に「煽り気味」と話したClaude Codeが、ちょうどそのタイミングでClaudeのデスクトップアプリ版に統合され、チャットと同じ画面で動かせるようになった
- 私自身は顧問業務の関係でGeminiメインだったが、デスクトップ版が出たタイミングで切り替え、ここ1ヶ月半〜2ヶ月弱で業務の9割5分をClaude Code上で回している
- 具体的には、ポッドキャスト→自社コラム・メルマガ・SNSの自動変換、フォルダ整理・ファイル生成、Google AnalyticsやSearch Consoleにつないだアクセス分析、自作ツール開発まで一気通貫
- ただし今でも"上級者向け"。中級者ライン──マイGPT・Gem・Claude Projectsで自社の特定業務を50%以上時短できる──を越えた方に、いちばん向いている
- 日本でもアクセンチュア日本法人・富士通・DeNAなどで導入開始。ただし会社単位では「全社員Gemini」「経営層・AI推進リーダーだけClaude」くらいに絞った運用が現実的
※ポッドキャストでは、より詳しく丁寧にお話ししています。音声での視聴が1番オススメです。
2. 4月の話の、その後の続報
以前『#13 過剰なClaude Codeブームの裏側で、見落とされていること』という回で、4月時点のClaude Codeを取り巻く世間の風潮──Meta広告などで「Claude Codeをやらないとヤバい」系のセミナーがどんどん流れてきていた状況──について、ちょっと煽り気味すぎないですか、というお話をしました。
たまたまそのポッドキャストの収録2日前、4月の半ばに、ClaudeのデスクトップアプリでClaude Codeが使えるようになっていたんですね。そこには個人的にかなり注目していて、「まず自分で使ってフィードバックしたい」というお話もそのときに添えていました。
あれから1ヶ月半〜2ヶ月弱、業務でけっこう使い倒してみました。今日はその後日談として、6月上旬時点での率直な所感を、忖度なしでシェアします。
3. "ターミナルの黒い画面"が要らなくなった
まず、何が一番変わったかと言うと、"ターミナルの黒い画面"が要らなくなった、というのが大きいです。
これまでのClaude Codeは、エンジニアがプログラミングをするときに触る、黒い画面に緑の文字がバーッと並ぶ画面──いわゆるターミナル──からコマンドを打って動かすツールでした。なので、非エンジニアにはハードルがかなり高かったんですよね。私自身もエンジニアではないので、正直、以前のターミナル版にはあまり馴染めませんでした。
それが今、Claudeのデスクトップアプリをダウンロードすると、画面の左上に「Chat」「Cowork」「Code」のような3種類のタブが並んでいて、Claude Codeを"いつもチャットでAIとやり取りする画面と同じ感覚"で動かせるようになっています。皆さんが普段ChatGPTやGemini、Claudeのチャットで触っているあの感覚に近いです。
これで、入り口に立てる人の数はそれなりに増えるんじゃないかなと感じています。ハードルは確かに下がった。ここは事実です。
4. 私はGeminiメインから、Claude Codeに切り替えた
私自身の話をしますと、顧問の仕事をしている関係で、なるべくクライアントと同じ環境でAIを触っておきたい、というのが普段の意識としてあります。お客さんと全然違う環境で、自分だけがめちゃくちゃ複雑な使い方をしていると、話が噛み合わなくなってきたりするので、なるべく揃えるようにしていたんですね。
うちの会社はGoogle Workspaceで運営しているので、私自身もGeminiをメインに、ChatGPTもサブで使う、というスタイルでした。Claudeは、日本語の文章を書くときやマーケティング関連の文章を書くときくらいに留めていました。意図的に、あまり使い込まないようにしていた、というのが正直なところです。
それが、4月半ばにデスクトップ版のClaude Codeが出たタイミングで、Claudeの課金プランも上位(月100ドル)に切り替えました。ここ1ヶ月半〜2ヶ月弱、私個人の業務でいうと、9割5分くらいはClaude Code上で回すようになっています。
5. 具体的に、Claude Codeで何をやっているか
具体的にやっていることをいくつか並べてみます。
まず、このポッドキャストの原稿作成と、収録後にメルマガ・自社コラム記事・SNS投稿へ自動変換するところ。これがメインの一つです。
この流れの中で、フォルダ整理やファイル生成も一緒にやってもらっていて、まさにこのエピソード19のフォルダとファイル群も、Claude Codeが場所を考えて作って整理してくれています。普段、チャットAIで文章を生成すると、人間がコピペしてメモ帳に貼って、ファイル名をつけて、所定のフォルダに置いて……という手間が必要ですよね。あのあたりがごそっと消える、というのも大きな違いです。
あとは、自社のGoogle AnalyticsやSearch Consoleにつないでアクセス分析を出してもらう、というのもよくやっています。例えば「最近こういう検索キーワードからの流入が増えているから、次はこの方向でコンテンツを足してみてはどうか」みたいな提案まで出してくれて、私はそれを見て方向を判断する、という流れです。
それから、これまで外部のnoteでやってきた発信を、自社サイトのコラムメディアに切り替えていまして、その記事構成・キーワード設定・原稿の下書きまで。自社の事例ページのライティングや、自分用のちょっとしたツール──たとえば外国語で書かれたPDFを日本語に翻訳して、日本語PDFとして読みやすくアウトプットするような、マニアックな自作ツール──まで、Claude Codeをベースに進めるようになりました。
パソコンの操作と、Web上のサービスのアカウントを見て分析する、というところまで一気通貫でやってくれる。人間がコピペや移動する手間が消える分、手放しでも"いい感じの結果"が出てきやすい、というのが体感です。もちろん最後のチェックや微調整は人間がやりますが、そこまで持っていくスピードがまるで違うかな、という印象です。
6. ただ、万人向けではない──"中級者ライン"の話
ここから先のほうが、むしろ大事だと感じています。デスクトップ版でハードルが下がったとは言え、誰にでも勧められるかというと、そうではないんですね。便宜上の表現を使うと、Claude Codeは今でも"上級者向け"のツールであることは変わらないかな、と思っています。
以前の回『#16 AIホッパーという罠』でもお話ししたんですが、AIツールにはレベル感があります。私の中で便宜上「中級者」と呼んでいるラインがあって、これは、ChatGPTのマイGPT、GeminiのGem、ClaudeのProjects──このどれかを使って、自分や自社の特定業務を50%以上時短できる"自分専用の仕掛け"を作れている方、というイメージです。
このラインに到達している方で、なおかつ「もう一段、効率化を進めたい」と感じるなら、Claude Codeを試してみる価値はあるかなと。逆に、まだ「マイGPTって何?」「Gemって何?」という段階で試してみても、たいてい途中で嫌になってしまう印象です。順番としては、まず土台のほうかな、と。
あと、Claude Codeはパソコンの操作までやってもらう関係で、いろいろな権限を渡すことになります。これは利便性の裏側で、初期のセキュリティ設定を雑にやるとパソコン側にリスクが残る面もあるんですね。ゼロから始める場合は、しっかり調べながらやるか、信頼できる方から1対1で教わって、その場で慣れさせてもらうのが安全じゃないかなと思います。
7. 北米・日本でも、Claude導入が加速
最後に、もう少し広い視野の話を少しだけ。
北米では、すでに大手企業のClaude本格導入がどんどん進んでいて、日本でも、この1〜2ヶ月で大きな動きが続きました。アクセンチュアの日本法人が5月の中旬に、富士通が5月末に、それぞれAnthropic──Claudeを作っている会社ですね──との戦略的協業を発表しています。富士通については約10万人の社員にClaudeを展開する、という規模感です。
これまでChatGPTやGeminiを全社で使ってきた会社のなかにも、徐々にClaudeに寄せていく動きが出てきていて、DeNAあたりもその一例です。個人的な感覚としては「思ったより早く日本もClaude寄りに動き始めているな」という印象です。
ただ、これも以前の回『#7 AI最新情報は追う必要なし。むしろ、追わない方が良い』でお話ししたとおりで、こうしたニュースに過剰反応する必要は、そんなにないかなと思っています。多くの会社は、そもそも先ほどお話しした"中級者ライン"を目指している状態だからです。
仮に会社で取り入れる場合も、いきなり全社員にClaude Codeを配るのは無理があります。たとえば、社員全体はGeminiを使う、そのうえで社長や経営層、社内のAI推進リーダーといった本当に少人数だけClaudeのアカウントを持つ──Geminiが20アカウントだとしたら、Claudeは3アカウントだけ、くらいのイメージですね。先行しているDeNAも、そういう運用のようです。このくらいの絞り方が、現実的じゃないかなと感じています。
8. まとめ
- 4月時点で「煽り気味」と話したClaude Code。ちょうどそのタイミングでデスクトップ版が出て、チャットと同じような画面で動かせるようになり、エンジニア以外にも入り口は開いた
- ただ便宜上は今でも"上級者向け"。まず目指したいのは"中級者ライン"──マイGPT・Gem・Claude Projectsのどれかで、自社の特定業務を半分以下に時短できるところ
- 私自身はGeminiメインのところから、便利さに負ける形でClaude Codeで業務の9割5分を回すように。ただし顧問業務上、Gemini・ChatGPTも併用中
- 日本でもアクセンチュア日本法人・富士通・DeNAあたりで導入が動いた。ただし会社単位では、全社員Gemini+経営層・推進リーダーだけClaude、くらいに絞った運用が現実的
- AIの得意不得意は人それぞれの個性。みんなが一律にClaude Codeを使いこなす絵は、描かなくて良いと思われる
煽りに振り回されず、自分の現在地と業務の必要性を見て判断する。そのほうが、ずっと健全じゃないかなと思います。
皆さんが実利を得て、心や時間に余白を持って、幸せに生きられることを祈っております。

執筆者
槙 優真
ジェネラルコンサルティンググループ株式会社 代表取締役
現役のAI顧問として、中小企業の経営者に月額3万円〜で直接伴走中。AI活用と売れる仕組みの両輪で、「実利」と「余白」を同時に高める伴走支援を提供しています。
