【音声で聴く方はこちら(約15分)】
🎧 https://www.general-cg.com/podcast
(テキストで読む方は、このまま読み進めてください)
1. 要点のまとめ
- AIのアウトプットの質を決める最大要因の1つは、「AIに与える情報の質」。だからこそ骨太な読書の価値が上がっている
- 本選びは自分の目利きに頼らず、信頼できる師匠の推薦をピックアップするのが圧倒的にハズレがない
- そうした師匠と繋がれるかどうかは、AIスキルではなく「人間としての総合力」にかかっている
- 読んだ本を自分の知的体系に落とし込む「思考体力」と、そのための時間確保が不可欠
- AI時代に本当に差がつくのは「AIじゃないところ」を磨いている人
※ポッドキャストでは、より詳しく丁寧にお話ししています。音声での視聴が1番オススメです。
2. なぜAI時代に読書の価値が上がるのか
「AIがあれば本なんて読まなくて良いんじゃないか」──最近、そんな声を聞くことがあります。
AIに聞けば何でも答えてくれるし、要約だってしてくれる。確かに、表面的にはそう見えるかもしれません。
でも、実際にAIを深く使い込んでいる立場から言うと、これは真逆です。AIが発達したことで、むしろ骨太な読書の価値が上がっている。今日はその理由についてお話しします。
3. AIの精度を決める「2つの要素」
AIの精度を高めるために大切なことは、大きく二つあります。
一つは「プロンプト」、つまりAIへの指示の出し方。もう一つは「AIにどんな情報を与えるか」。いわゆるナレッジです。
そして、後者のほうが実はインパクトが大きいのです。AIに質の高い情報を、適切に整理して与えること。これが、AIのアウトプットの質を根本的に左右します。
このとき、本のような骨太な情報を、指針としてAIに与えるのが非常に強力です。AIが学習した様々な有象無象の情報とは、深みがまるで違います。
そして重要なのは、どんな本を選ぶかで、AIのアウトプットに天と地ほどの差が生まれるということ。同じAIを使っていても、与える情報の質が違えば、出てくるものがまるで変わるわけです。
4. 「普遍的な本」と「期限つきの本」
じゃあ、どうやって良書を選ぶのか。
多くの人がやりがちなのが、ネットのランキングを見たり、SNSでバズっている本を買ったりすること。でも、これには落とし穴があります。
モーガン・ハウセル氏の『SAME AS EVER』という本に、すごく大事なことが書かれています。情報には「普遍的なもの」と「期限つきのもの」がある、と。
- 普遍的な情報:「人は不確実な状況でどう行動するか」のような、時代が変わっても通用する知恵
- 期限つきの情報:「去年の第2四半期のある企業の利益はいくらだったか」のような、すぐに古くなるもの
期限つきの情報は派手で目を引くけれど、すぐに古くなります。一方、普遍的な情報は有効期限がなく、蓄積していける。しかも、すでに学んだことを元手にして、時間をかけて複利的に増やすこともできるのです。
AIの仕事術の本や最新テクニック系の本は、まさに期限つきの情報。AIがどんどん進化する今、そういう本の賞味期限はますます短くなっています。それよりも、人間の心理や行動原則など、本質的で普遍的な情報を扱った本のほうが、長期的なリターンがはるかに大きいわけです。
5. 本選びは「自分で選ばない」のが正解
では、その「普遍的な良書」をどうやって見つけるか。
私がたどり着いた結論は、自分で書籍を選ぶのをやめることでした。
代わりに何をするかというと、信頼できる師匠が推薦する本をピックアップするのです。ビジネスでも、健康でも、投資でも、習慣づくりでも。自分よりも先を行っていて、日常的に多読している師匠がオススメする本は、大抵の場合、自分で目利きするよりも良い本です。ハズレがありません。
2016〜2017年頃に流行った「キュレーション」という考え方ですね。膨大な選択肢の中から、質の高い選択肢だけを残して提示してくれる人の存在。
6. 信頼できる師匠と繋がるには
ここが今日の核心です。
「じゃあ、そういう信頼できる師匠って、どうやって見つけるの?」という話。
答えは、ネットでキラキラしている人とか、フォロワーが多い人ではありません。むしろ、「人づてに、あの人は本当にスゴい」と評判が聞こえてくるような人です。人柄も実力も、周りの人たちから自然と信頼されている人。
でも考えてみてください。「人づてに評判が聞こえてくる」って、そもそもどういう状況でしょうか。
自分の知り合いが「あの人の推薦書籍はハズレがないよ」と教えてくれる、ということですよね。つまり、まず自分の身近に、そういう情報を持っている人がいないと始まらない。さらに、その知り合いも、あなたにわざわざ「この人いいよ」と教えてくれるくらいの関係性がある人です。
そうなると起点は結局、自分がある程度懇意にしている人に限られます。そして、自分が懇意にできる人の範囲やレベル感というのは、自分自身の人間力に左右されます。見た目や身だしなみも含めて、内面、精神性、思考の深さ、人柄──すべてを含めた「人としての総合力」です。
つまり、AI時代に最強のアウトプットを出せる人というのは、実はAIのテクニックやツールとは関係なしに、こういう人間としての土台をひたすら磨いている人なんですね。
7. 「思考体力」と時間の確保
せっかく良い本に出会えたとしても、もう一つ大事なことがあります。それを自分にしっかり落とし込むこと。
読んで終わりではなく、考えて、噛み砕いて、自分の知的体系の一部にしていく。これが「思考体力」です。
そしてこの時間を確保するためには、「無駄なタスクを手放す」ことが不可欠です。AIで効率化したうえで、空いた時間に第三・第四領域のタスクを割り込ませない。その時間を、読書という第二領域──つまり「緊急じゃないけど重要なこと」に最優先で充てる。ここが全部つながっているんですね。
8. まとめ
AI時代だからこそ、AIに与える情報の質がアウトプットの質を決める。だから骨太な読書がますます大切になりました。
本は自分で選ぶよりも、信頼できる読書家の推薦をピックアップしたほうが圧倒的にハズレがない。そして、そういう人と繋がれるかどうかは、自分自身の人間力にかかっています。
面白くない結論かもしれません。「このAIツールを使えば一発で解決!」みたいな話のほうが、ウケがいいのはわかっています。でも、本質的だと思うことを、そのまま伝えています。
もし1人でも「この話、役に立った」と思ってくださって、実践してプラスの影響が出たら、それだけで嬉しいです。
皆さんが実利を得て、心に余白を持って、幸せに生きられることを祈っております。

執筆者
槙 優真
ジェネラルコンサルティンググループ株式会社 代表取締役
現役のAI顧問として、中小企業の経営者に月額3万円〜で直接伴走中。AI活用と売れる仕組みの両輪で、「実利」と「余白」を同時に高める伴走支援を提供しています。
