※この記事は、YouTube「まき【小さな会社のAI戦略室】」の動画「メール・チャット返信のAIアシスタントを作る全過程【マイGPT/Gem/Claude Projects】」の内容を記事化したものです。
【動画で観る方はこちら(約31分)】 🎬 https://youtu.be/mYTFnwT90eQ (テキストで読む方は、このまま読み進めてください)
1. 要点のまとめ
- メール返信は1通ごとは軽くても、5件10件で30分〜1時間が溶ける
- AIに書かせても文体を毎回直しているなら、時短になっていない。原因は、AIがあなたの書き癖を知らないこと
- 過去に送った文章を読ませれば文体は再現される。仕込みは10分から20分で、手で書いていた頃と比べて3倍から10倍のスピードに
※動画では、実際の画面を見ながら手順を丁寧にお話ししています。動画での視聴が1番オススメです。
2. 返信に溶ける30分の正体
メールやチャットの返信を、今も全部手で書いていないでしょうか?あるいはAIを使っている方でも、出てきた文面をそのまま送らず、言い回しや絵文字を自分の使い慣れた形に直してから送っている。そんな状態になっていないでしょうか?
返信の1通1通は、そこまで重い作業ではありません。ただ、これが5件10件と溜まってくると話が変わります。気づいたら30分が経ち、1時間が経ち「今日は思ったより仕事が進まなかった」という日になる。私自身、そういう日がかなりありました。
厄介なのは、AIを使っていても同じことが起きる点です。文面は一瞬で出てくるのに、そこから自分の言葉に直す作業が毎回発生する。これでは書く場所が変わっただけで、かかる時間はあまり減っていません。
3. 原因は、文体を覚えさせていないこと
なぜここまで時間がかかるのか。理由ははっきりしています。あなた自身の文体や絵文字の使い方を、AIが覚えていないからです。
AIは非常に賢いのですが、あなたがどんな言い回しを好むかは知りません。句点で締めるのか、びっくりマークをよく使うのか。絵文字を入れる相手と入れない相手をどう分けているのか。そうした癖を知らないまま作るので、出てくるのは「一般的に正しいビジネスメール」です。だから毎回、自分の言葉に直すことになります。
逆に言えば、ここさえ覚えてもらえれば早くなります。「こんな感じで返信して」と方向性を伝えるだけで、まるで自分が書いたような文面が出てくる。あとは目を通して、コピーして送るだけです。
ポッドキャスト『実利と余白』の「AIを"毎回初対面"から、"自分を知り尽くしたアシスタント"に変える」の回で、AIの育て方には3段階あるとお話ししました。今回は、その一番上の段階をメール返信という仕事で形にする方法です。
4. 3つのAIのどれでも作れます
この「自分の文体を覚えたAI」は、ChatGPT・Gemini・Claudeのどれでも作れます。ChatGPTでは「マイGPT」、Geminiでは「Gem」、Claudeでは「Claude Projects」と呼び方が違うだけで、中身はまったく同じ機能です。日本語で指示文を書き、ファイルを1つ添付する。それだけで動きます。かかる時間は10分から20分ほどです。
ただし1つ、2026年8月時点の注意があります。ChatGPTの個人向けプラン(Free・Go・Plus・Pro)では、マイGPTの新規作成と共有ができなくなりました。すでに作ってあるものは、引き続き使えるとのことです。これから新しく作る場合は、GeminiのGem、またはClaudeのClaude Projectsを使っていただくのが早いと思います。ChatGPTでも、Business以上のプランであれば作成が可能です。
やり方はどれもほぼ同じなので、この先の手順はお使いのAIに読み替えれば、そのまま使えます。
5. 手順①:過去の自分の文章を分析してもらう
最初にやるのは、過去に自分が送った文章をAIに読ませて、文体を分析してもらうことです。
用意するのは、実際に仕事で送ったメールやチャットの文面です。私はチャットワークやFacebookメッセンジャーのやり取りを、メモ帳にまとめておきました。取引先の名前などの固有名詞は、記号で伏せておけば問題ありません。
そのうえでAIに、このように頼みます。「返信アシスタントを作りたいので、私の過去の文章を分析して、ナレッジとしてまとめてください」。ナレッジとは、AIに持たせておく知識ファイルのことです。用語は覚えなくても大丈夫です。
するとAIは、文体の分析結果をまとめたファイルと、指示文の2つを作ってくれます。自分の文体の特徴を言葉にする作業は、人間がやるとかなり骨が折れるところ。そこをAIが引き受けてくれるのが、この手順のラクなところかなと思います。
6. 手順②:4か所を埋めて、アシスタントを作る
次に、アシスタント本体を作ります。設定する場所は、4つだけです。
- 名前:「メール返信アシスタント」のように、自分が分かる名前
- 説明:どう使うものかのメモ。作った本人が後で忘れないための欄
- 指示:先ほどAIが作ってくれた指示文を貼る
- 知識:文体の分析ファイルを添付する
ここに入れたファイルを、アシスタントは毎回参照します。つまり、あなたの文体はここに入っているわけです。
公開範囲は「自分だけ」で構いません。自分の書き癖が入っているものですから、共有する必要はないと思います。
どこを押すかといった細かい操作は、動画で実際の画面をお見せしています。
7. 返信は、どう変わるのか
YouTube動画では、2つの場面を試しました。
1つ目は、顧問契約をいただいた方への日程調整のメールです。出てきたのは、きちんとしたビジネスライクな文面でした。2つ目は、懇親会でお会いした方へ翌日に送るお礼のメッセージです。こちらは、びっくりマークと絵文字が自然に入った、少し柔らかい文面になりました。
面白いのは、同じアシスタントが場面によって書き分けていることです。私は句点をあまり使わず、びっくりマークを多めに使います。相手によって絵文字を入れたり入れなかったりもします。その使い分けごと、過去の文章から読み取ってくれているわけです。
指示を出すのは音声入力でも構いません。私はスマホとパソコンの両方に音声入力ツールを入れていて、外出先でも話しかけるだけで文面ができます。あとはコピーして送るだけです。
8. 似ていないときは、ナレッジを足していく
最初の出来が物足りないこともあります。そのときに直すのは指示文ではなく、「知識」に入れたナレッジのファイルです。あなたの文章の特徴が、そこにまとまっているためです。
たとえば「よろしくお願いいたします」という一文。「宜しく」と漢字で書く方もいれば、ひらがなで書く方もいます。「致します」も同じです。こうした好みを、OK例とNG例の形で書き足していきます。使ってよい絵文字と使わない絵文字も、同じように並べておくと効きます。
書き方に決まりはありません。AIは賢いので、人間に伝わるように書けば理解してくれるはずです。
ファイルを開いて書き足すのは面倒だという方には、もう1つやり方があります。最初にナレッジを作ってもらったチャットに戻って、追加したい内容を伝えるだけです。「この内容を追加したバージョンを作ってください」と頼めば、更新版が出てきます。あとは差し替えるだけです。
気づいたことを足していくほど、手直しの回数は減っていきます。1回作って終わりではなく、少しずつ育てていくものだと捉えると、うまくいきやすいかなと思います。
9. まとめ
- メール返信は1通ごとは軽くても、5件10件で30分〜1時間が溶ける
- AIに書かせても文体を毎回直しているなら、時短になっていない。原因は、AIがあなたの書き癖を知らないこと
- 過去に送った文章を読ませれば文体は再現される。仕込みは10分から20分で、手で書いていた頃と比べて3倍から10倍のスピードに
今日からできることを1つ挙げるなら、過去に送ったメールやチャットを10通から20通コピーして、AIに「私の文体を分析して、ナレッジとしてまとめてください」と頼んでみることです。
5分ほどで終わりますし、30分もあればAIアシスタントの完成まで行けると思います。
皆さんが実利を得て、心や時間に余白を持って、幸せに生きられることを祈っております。
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執筆者
槙 優真
ジェネラルコンサルティンググループ株式会社 代表取締役
現役のAI顧問として、中小企業の経営者に月額5万円〜で直接伴走中。AI活用と売れる仕組みの両輪で、「実利」と「余白」を同時に高める伴走支援を提供しています。
