※この記事は、YouTube「まき【小さな会社のAI戦略室】」の動画「【AIでマニュアル作成】画面を15分録画して渡すだけ|判断の多い仕事でもOK【ChatGPT・Gemini・Claude】」の内容を記事化したものです。
【動画で観る方はこちら(約28分)】
🎬 https://youtu.be/DxI6SDDJ-Lc
(テキストで読む方は、このまま読み進めてください)
1. 要点のまとめ
- 業務のマニュアルは、文章で書き起こさなくても、その作業をしている画面を録画すればAIがマニュアル化してくれる
- できあがったマニュアルをAIエージェントに渡せば、スプレッドシートへの追記・返信文の下書きなども代行してくれる
※動画では、実際の画面を見ながら手順を丁寧にお話ししています。動画での視聴が1番オススメです。
2. マニュアルが作られない理由は「書く作業」にある
「マニュアルを作って、人やAIに任せたい」
そう思いながら、ずっと手をつけられていない。こんなこと、ありませんか?
私は、かなりあります。そもそも作るのが面倒で、自分の独自メモをベースに進めたくなる。私自身、あまりチームで動くのに向いていないタイプだと思っています。
ただ、チームで仕事をするならマニュアルが必要な場面は少なくありません。人が増えるほど口頭で伝える回数が増えて、伝え漏れも増えていくからです。
ここで一度、切り分けて考えてみましょう。面倒なのは「マニュアルがあること」ではなく、仕事の手順を細かく文章に書き起こす作業の方ではないでしょうか? 手順そのものは頭に入っている。毎日やっている。けれど、それを誰もが詳細に理解できる形にする時間が取れない。
だとすれば、手をつけるべきは書く作業の方です。ここが軽くなれば、マニュアルは自然にできあがります。
そして今は、その書く作業をAIに代行してもらえます。人間が文章を書かずとも、作業をしているパソコン画面の録画をAIに渡すだけで済むのです。
3. 判断が混ざった仕事ほど、手順書にしにくい
動画では「学習塾の入塾問い合わせ対応」を題材にしました。あおば進学ゼミナールというデモ用の塾で、Webサイトから問い合わせが届いてから体験授業の案内を返すまでの事務作業です。
流れはこうなります。
- 問い合わせメールを読む
- 保護者名・生徒名・学年・希望教室などを管理シートに転記する
- 希望の回数からコースを決め、料金表で月謝を確認する
- 兄弟が在籍していれば月謝10%割引を適用する
- 講師のシフト表と空き枠を見て、希望曜日に対応できる先生を探す
- 候補日と金額を入れた返信文を作る
書き出すと6つですが、実際にやっていることはもっと複雑です。メールからそのまま転記できる欄もあれば、書かれていないので空欄にする欄もある。「部活が水曜と木曜にある」という一文から「月曜・火曜・金曜で探そうと判断する」など高度な箇所もあります。
転記と判断が混ざっている仕事は、文章にするのが難しい。 だからこそマニュアル化が後回しになり、担当者ひとりの頭の中に残り続けます。属人化しやすい仕事の典型ではないでしょうか?
4. 文章を書かず、15分の画面録画を渡す
では、どうするか。やり方はシンプルです。その作業をしている画面を録画して、動画ファイルをそのままAIに渡します。
動画では、上の一連の作業を3パターン分、15分ほどかけて説明しながら録画しました。それをAIに添付して、手順書にしてもらいます。
手順は次の通りです。
- いつもの作業を画面録画する(macOSやWindowsの標準機能で撮れます。ZoomやGoogle Meetにひとりで入って録画する方法も簡単です)
- 録画した動画をAIに添付し、AIの役割・この動画の中身・作ってほしい手順書の条件をプロンプトで伝える
- 出てきた手順書に対して「自分以外の人がこれを使う場面を想像して、迷いそうな点を3つ質問してください」と追加で頼む
- 返ってきた質問に答え、その回答を反映して仕上げてもらう
- PDF・Word・Googleドキュメントなど、編集したい形式を指定して出力する
3番目の追加の質問が効きます。動画では、兄弟割を判定するときに同じ苗字の別のご家庭をどう見分けるか、希望の条件に合う講師がいないときはどうするか、といった質問が返ってきました。自分では当たり前すぎて説明を飛ばしていた部分が、ここで表に出てきます。
人が文章で書こうとすると、この抜け漏れには自分では気づけません。AIに読ませて質問させる方が、早くて確実だと感じています。
5. 動画が重くて添付できないときは
ここで、実際にやると頻繁にぶつかる問題があります。動画ファイルが重くてAIに添付できないことです。ブラウザ版には添付できる容量の上限があり、512MBを超えるとエラーになります。15分ほどの画面録画でも、超えることは珍しくありません。
3つのツールで試すと、結果は分かれました。
- Gemini:ブラウザのまま、重い動画も読み込めた
- ChatGPT:ブラウザではエラー
- Claude:ブラウザではエラー
ChatGPTとClaudeで動かないときは、デスクトップアプリに切り替えて、ChatGPTならChatGPT Work、ClaudeならClaude Coworkという機能を使えば解決です。どちらもAIエージェントと呼ばれるもので、パソコンの中のファイルを直接見に行ったり、操作したりできます。
デスクトップアプリを開いてこの機能に切り替えれば、重い動画もそのまま添付できます。Claude Coworkの場合は添付すらせず、デスクトップにある動画のファイル名を伝えるだけでも読みに行ってくれました。
なお、Geminiのデスクトップアプリ版のAIエージェント機能は、まだ全員には提供されていません。今のところGeminiはブラウザで使う形になります。
6. できあがった手順書を比べてみる
待ち時間と仕上がりには違いが出ました。
ChatGPT Workは約7分で、PDFとWordの両方を出してくれました。動画で説明した内容がしっかりまとまっていて、マニュアルとして十分使えます。ただし、テキスト中心の手順書です。
Claude Coworkは約10分かかりました。作業の途中で「詳しさはどれくらいにしますか」「スクリーンショットは入れますか」と質問してきます。新人向けで、要所にスクショを入れてほしいと答えました。
その結果、画面のスクリーンショットが入った手順書ができあがりました。この言葉を話しているときにこの画面が出ている、という対応まで拾ってくれています。一発目の完成度という意味では、Claude Coworkの方が高いと感じました。
ChatGPTもこちらから頼めば同じことができると思います。違いは、あちらから聞いてくれるかどうかです。待ち時間が3分長いかわりに、手直しの手間が減る。 どちらを取るかは、そのときの状況で選べばよいかと思います。
7. マニュアルは、作って終わりではない
できあがったマニュアルは、人に渡すだけのものではありません。AIに渡せば、そのまま実務が進みます。
動画では、作った手順書をAIに添付して、新しい問い合わせメールを渡してみました。AIがアウトプットしてくれたのは、次の3つです。
- スプレッドシートに追記する内容(どの欄に何を入れるか)
- 保護者に送る返信文の下書き
- 手順書では判断できず、人に確認した方がよい点
3つ目が地味に効きます。動画の例では、兄弟が体験授業を受けたとは書いてあるものの入塾したかどうかが読み取れず、兄弟割を適用してよいか判断がつきませんでした。AIはそこを自分で申告してきます。
つまり、人が見るべき場所をAIが教えてくれるわけです。全部を確認し直す必要はありません。
最初から最後までAIに任せる話ではありません。
- マニュアルを作るところは人が指示を出す(0〜20点)
- その内容をもとにAIが8割から9割を進める(20〜90点)
- 最後の微調整と最終確認を人がやる(90〜100点)
上記のように、人間・AIで役割分担するのがポイントです。
8. 個人情報をどう扱うか
問い合わせメールをそのまま貼り付けると、保護者や生徒の氏名・メールアドレス・電話番号がAIに渡ります。ここが気になる方もいるかと思います。
理想を言えば、個人情報は入れない方が安心です。動画で使ったのはダミーデータなのでそのまま貼っていますが、実際の運用では分けて考えることをオススメします。
やり方としては、個人情報を含む欄だけ人が手打ちし、それ以外をAIに任せる形です。問い合わせの本文だけをAIに渡して、氏名や連絡先の欄は人がシートに入力する。同じ人の重複がないかの確認も人がやる。それ以外の判断や下書きはAIに進めてもらう。
どこまで入れてよいかは、会社ごとにルールを定めておくと、判断に迷わず、事故も防げます。
9. まとめ
- 業務のマニュアルは、文章で書き起こさなくても、その作業をしている画面を録画すればAIがマニュアル化してくれる
- できあがったマニュアルをAIエージェントに渡せば、スプレッドシートへの追記・返信文の下書きなども代行してくれる
マニュアルを書くための時間を新しく作ろうとすると、たいてい先延ばしになります。そうではなく、いつもやっている作業を1つ選んで、次にやるときだけ画面録画をオンにしてみてください。
30分、長くても1時間あれば、分かりやすい業務マニュアルができるはずです。
皆さんが実利を得て、心や時間に余白を持って、幸せに生きられることを祈っております。
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執筆者
槙 優真
ジェネラルコンサルティンググループ株式会社 代表取締役
現役のAI顧問として、中小企業の経営者に月額5万円〜で直接伴走中。AI活用と売れる仕組みの両輪で、「実利」と「余白」を同時に高める伴走支援を提供しています。
