競合調査(競合分析)をAIで進めると、これまで人間が約1〜2週間かけてやるような洗い出しと整理が、30分ほどで80点の品質まで届きます。ただし、AIが担うのは速さと「最低限の質の担保(80点まで)」です。そこから、事業として本当に成り立つ・生き残れるレベルの質に引き上げる最後の仕上げは、人間の役割になります。この記事では、ChatGPT・Gemini・Claude のリサーチ機能を使った競合調査の型を、洗い出しから打ち手まで、新宿のパーソナルジムを例に整理します。書き手はマーケティングを10年以上専門にしてきた現役のAIマーケ顧問(AIマーケティングコンサル)です。
1. AIで競合調査を進める前に押さえる3つの要点
手順に入る前に、結論を先にお伝えします。競合調査をAIで進めるとき、成果を分けるのは次の3つです。
1-1 AIで「型」を担保すると、見落としが減る
マーケティングに慣れていない方が手探りで競合分析や3C分析(顧客・競合・自社の3つの視点で市場をとらえる枠組み)をやると、欠かせない視点をどうしても見落としがちです。これは私が10年以上マーケティングを専門にしてきて、何度も目にしてきたことです。必要な観点をあらかじめ盛り込んだプロンプトを使えば、その抜け漏れを防げます。人間が1〜2週間かけるような洗い出しと整理が、30分ほどで80点の品質まで届く——これがAIを使う大きなメリットの1つです。型が定まらない自己流の分析や、観点の抜けた初期アウトプットよりも、押さえるべき視点をそろえた土台を短時間で作れます。
1-2 すべてを深掘りしない。広く洗い出し、狭く深掘る
競合をすべて細かく見ていくと、いくらでも時間が溶けていきます。とくに中小企業はリソースが限られ、スピードも欲しいところ。だから「広く洗い出して、見るべき競合だけを特に深掘りする」というメリハリと目利きが要ります。
1-3 AIが取れるのはWeb上の情報まで。最終判断は人間が行う
AIは基本的にWeb上にある情報しか取得できません。他社の内側に近い情報は、現場を見たり人づてに聞いたりと、リアルの世界でしか得られないものがあります。AIで届くのは80点まで。残りの20点と最終判断は、リアルで得た情報を踏まえて人間が担う領域です。
この3点を前提に、具体的な手順を見ていきます。競合調査は、売れる仕組みづくり全体の中の一工程でもあります(全体像は「中小企業の売れる仕組みをAIで作る」を参照)。
2. 競合調査の4ステップ|洗い出し→大枠分析→絞り込み→深掘り
私が競合調査をするときの流れは、大きく4ステップです。いきなり1社1社のWebサイトを細かく読み込むのではなく、まず全体を俯瞰してから対象を絞ります。
2-1 ステップ1:競合を漏れなく洗い出す
本気で取り組むときは、10社、20社、30社という単位で洗い出します。直接競合(同じ商品・サービスで競う相手)だけでなく、間接競合(間接的に顧客の選択肢になる相手)も含めて、まずは広く拾います。
2-2 ステップ2:大枠を分析する
洗い出した各社について、いきなり細部に入らず、まず大枠を押さえます。具体的には、主に以下9項目です。
| 観点 | 見る内容 |
|---|---|
| ターゲット層 | 誰に向けた商品・サービスか |
| コンセプト | 何を約束しているか |
| ビジネスモデル | どこで・どう収益を上げているか |
| マーケティング方法 | どの経路で認知・集客しているか |
| 営業・セールスの方法 | 問い合わせから成約までの流れ |
| 料金 | 価格帯・料金体系 |
| サービス内容 | 提供している中身 |
| 差別化要因 | 何で選ばれようとしているか |
| 強みと弱み | 客観的に見た優位点・弱点 |
この大枠を見れば、Webサイトや広告クリエイティブ、口コミ、SNSの細部まで読み込まなくても、各社のおおよその輪郭はつかめます。
2-3 ステップ3:調査対象を絞り込む
大枠の分析結果をもとに、「ここはあまり気にしなくて良い」「ここは本当に注意すべき競合だ」と強弱をつけます。洗い出したすべてを深掘りしていてはキリがありません。ここで目利きをして、見るべき相手を選びます。
2-4 ステップ4:絞り込んだ相手を深掘りする
しっかり見るべきと判断した競合だけ、Webサイト・LP(ランディングページ=広告などの着地ページ)・広告クリエイティブ(広告のテキストや画像・動画)・口コミ・SEO・AIO(生成AI検索での見られ方)・SNS発信などをさらに細かく見ていきます。
この4ステップのうち、ステップ1〜2の「広く洗い出して大枠をつかむ」部分こそ、AIが得意で、人間が一番時間を取られていた工程です。
3. AIで競合調査を自動化する手順|DeepResearchと2つのプロンプト
ここからは、上の4ステップを実際にAIでどう回すかです。使うのは ChatGPT・Gemini・Claude の「DeepResearch(リサーチ)」機能。Web上の情報を自動でたどり、出典付きで調べてくれる機能です。
この機能を使うと、ChatGPT・Gemini・Claudeのチャット機能(普段やり取りしているモード)よりも、大幅に深掘りされた回答がレポート形式で返ってくるので、競合調査や3C分析に最適な機能なのです。
プロンプトは「洗い出し用」と「深掘り用」の2つを使い分けます。
ステップを4つに分けたのと同じ理由で、操作も「広く洗い出す」と「絞って深掘る」で分けると、出力がブレにくくなります。
3-1 プロンプト①:競合を洗い出す
まずは、自社の事業について直接・間接の競合を網羅的に挙げてもらいます。出力は「サマリー表 → 各社の概要」の順で受け取り、出典URLも残してもらうのがポイントです。
# 役割
あなたは、市場・顧客の情報や企業の戦略・戦術を調査分析するプロのコンサルタントです。
# 前提
3C分析の一環として、競合企業を調査分析した結果を、自社のマーケティング活動に活かしたい。
# 指示
自社((自社サイトのURL))の「(対象事業)」における、日本国内の直接競合・間接競合を網羅的に洗い出してください。アウトプットは「各社の情報をまとめたサマリー表 → 各社の概要説明」という順番でお願いします。出典(参考URL)も明記してください。なお、自社の情報で不明点があれば、リサーチを始める前に私に質問して、私からの回答を待ってからリサーチを実行してください。
# 注意点
- 質問形式は使わず、直接的な情報提示のみを行う。
- すべて日本語で出力する。
- 指示の再確認は不要。
- 自己評価やメタ的なコメント(「これで説明が終わりです」など)は不要。
- 出力時のフォーマットは参考例に準拠し、一貫性を保つ。
- ハルシネーション(事実でない情報の生成)は絶対NG。
3-2 プロンプト②:絞り込んだ競合を深掘りする
洗い出した中から「ここは深く見たい」と決めた相手だけを、先ほどの9項目で深掘りします。出力の最後に「ポジショニングマップ」を作ってもらうと、各社の立ち位置が一枚で見渡せます。
# 役割
あなたは、市場・顧客の情報や企業の戦略・戦術を調査分析するプロのコンサルタントです。
# 前提
3C分析の一環として、競合企業を調査分析した結果を、自社のマーケティング活動に活かしたい。
# 指示
以下の企業について、ターゲット層・コンセプト・ビジネスモデル・マーケティング方法・営業やセールスの方法・料金・サービス内容・差別化要因・強みと弱みなど、網羅的かつ具体的にまとめてください。
(深掘りしたい競合を、URL付きで列挙)
アウトプットは「各社の情報をまとめたサマリー表 → 各社の詳細 → 各社のポジショニングマップ(縦軸・横軸は適切なものを設定してください)」という順番でお願いします。
# 注意点
- すべて日本語で出力する。
- 指示の再確認は不要。
- 自己評価やメタ的なコメント(「これで説明が終わりです」など)は不要。
- 出力時のフォーマットは参考例に準拠し、一貫性を保つ。
- ハルシネーション(事実でない情報の生成)は絶対NG。
3-3 LP・広告・口コミ・SNSは目視とAIを使い分ける
ここまでで各社の輪郭とポジショニングが見えます。さらにLP・広告・SEO・AIO・SNSを深掘りするときは、目視とAIを使い分けます。マーケティングの知見があれば、LPや広告を見た印象から強み・弱み・注意点はその場で判断できることが多いので、私はざっと目視で確認してしまいます。なお。LPをAIで分析・改善する手順は「LP改善案をAIに出させる手順」で詳しく解説しています。判断の軸がまだ持てない場合は、「このLPを見て、訴求の強み・弱み・改善点を挙げてください」とAIに観点を出させると、見るべき所の当たりがつきます。
口コミは、Googleマップなどに集まっていれば、手動でコピーしてExcel・Googleスプレッドシートなどにまとめ、AIに読み込ませて傾向を分析させることも可能です。「どんな点が評価され、どんな不満が多いか」を一覧化するだけでも、競合の特徴に関する解像度が高まります。
ここで、自社だけで判断に迷うときは、第三者の視点で競合の見方をすり合わせる無料の壁打ちをご活用いただくのも一つの手です。
4. 実際にやってみた|新宿のパーソナルトレーニングジムをAIで調べる
ここまでの手順を、新宿エリアのパーソナルトレーニングジム(パーソナルジム)を題材に実際に回してみます。今回は特定の自社を置かず、「新宿でパーソナルジムを探す・市場を調べる」という視点で、どんなジムがあるかを洗い出し、絞り込み、深掘りまで進めました。
※ この実演では実在の自社を設定していないため、プロンプト①の「自社((自社サイトのURL))の『(対象事業)』における」という部分は外し、「新宿エリアのパーソナルトレーニングジムを網羅的に洗い出してください」という趣旨で実行しています。ご自身の競合調査で使うときは、自社サイトのURLと対象事業を入れることをオススメします。
今回の記事では、GeminiのDeep Research機能を例に説明していきます。
4-1 まず洗い出す|Geminiで新宿の競合をリストアップ
Gemini のDeepResearchで新宿エリアのパーソナルトレーニングジムを洗い出すと、直接競合8社・間接競合6社ほどがサマリー表として出てきました。新宿の市場は「高価格・短期集中型」「中価格・回数券/コスパ型」「月額・サブスク型」「女性専用特化」といった価格帯と狙いの違いで、いくつかの層に分かれていることが一目で分かります。月3,278円のchocoZAPや24時間ジムのような格安・セルフ型が“運動習慣の入口”として大きな受け皿になっている点も、表にすると見えてきます。
【Geminiによる新宿パーソナルジムの洗い出しサマリー表(直接競合8社+間接競合)】


基本的には、普段使っているAIが1つあれば、これだけの洗い出しはできます。
そのうえで補足すると、今回は違いを確かめるために、あえて ChatGPT・Gemini・Claudeの3つで同じ洗い出しを回してみました。すると、AIごとに挙がる競合の顔ぶれが少しずつ違っていることが読み取れます。RIZAP・24/7ワークアウト・BEYONDのような大手はどのAIでも出てきますが、たとえばUNDEUX SUPERBODYやApple GYMはChatGPTとClaudeでは挙がる一方、Geminiの一覧には入りませんでした。逆にGeminiはFIT PLACEやDRAGONGYMといった別の競合を拾っています。このように、普段のAIにもう1つ足して見比べると、取りこぼしを減らせます。
【同じ依頼を回した洗い出し結果——上:Claude/下:ChatGPT。Geminiとは挙がる競合の顔ぶれが少しずつ違う】


とはいえ、AIは何社で回しても、すべての競合を拾い切れるわけではありません。パーソナルジムのように同業がひしめく分野では、特に取りこぼしが出ます。日本では業種によって事業者が無数にあり、間接競合まで含めればその数はほぼ無限です。そのため私は、AIの洗い出しとは別に、自分でもGoogleなどで検索してみます。そこで「AIには出てこなかったが、ここは絶対に見ておくべき」という競合が見つかったら、次の深掘りプロンプトに足して分析する流れです。AIで大枠を素早くつかみ、絶対に外せない相手は人間がピックアップする——この役割分担こそが、洗い出しの精度を左右します。
4-2 5社に絞る|なぜこの5社を深掘りするか
洗い出した全社を深掘りしているとキリがありません。そこで今回はChatGPT・Gemini・Claudeの3社の結果を突き合わせ、「市場の各価格帯・各特化を代表し、検討者が必ず比較に挙げる会社」という基準で、次の5社に絞りました。
- RIZAP:高価格・結果コミットの象徴。価格と“伴走の濃さ”の上限を決める存在
- BEYOND:中価格・ボディメイク特化で新宿に複数店。トレーナーの質で選ばれる代表
- UNDEUX SUPERBODY:女性専用。新宿は女性需要が大きく、安心と美容の見せ方を学べる
- Apple GYM:低価格・駅近・入門層。パーソナルの低価格帯の現実的な比較対象
- chocoZAP:間接競合だが格安・多店舗で“運動習慣の入口”。価格の下限を決める存在
※今回は例として5社に絞っただけであって、実際には3社でも5社でも10社でも構いません
高価格から格安まで端から端まで1社ずつ押さえると、「どこが混み合っていて、どこが空いているか」が見えてきます。
4-3 深掘りする|プロンプト②で5社を詳しく見る
絞り込んだ5社に、先ほどのプロンプト②(深掘り用)を回します。各社のターゲット・料金・差別化・強みと弱みが詳しくそろい、最後にポジショニングマップで立ち位置を一枚に整理できます。今回のマップは、縦が「価格・サービスの深さ(上=高価格・フルサポート ↔ 下=低価格・セルフ)」、横が「顧客が求める価値(左=本格的なボディメイク ↔ 右=気軽な健康維持)」という軸でした。
【プロンプト②による5社の深掘りサマリー(ターゲット・料金・差別化・強みと弱み)】


【Geminiによる5社のポジショニングマップ(縦=価格・サービスの深さ/横=左が本格的なボディメイク・右が気軽な健康維持)】


このマップを見ると、新宿のパーソナルジム市場が大きく二極化しているのが分かります。左上(高価格×本格)にはRIZAPとUNDEUX SUPERBODYが入り、生活ごと丸抱えするフルパッケージで長く通ってもらう設計です。右下(低価格×気軽)ではchocoZAPが、無人化とテクノロジーで“運動習慣の入口”を押さえています。その中間で、BEYONDは「トレーナーの質」、Apple GYMは「チケット制の始めやすさ」と、特定の価値を尖らせて生き残っている、という構図でした。
おもしろいのは、空いている場所も見えることです。たとえば「高価格なのに気軽」は価値を説明しにくく成り立ちにくいもの。「低価格なのに人が本格的にサポート」は採算が合いません。この2つは、どの会社も手を出していませんでした。自社がどこで戦うかを考えるとき、この“混んでいる所/空いている所”の地図がそのまま判断材料になります。
各社の強み・弱みも具体的に出てきます。たとえばchocoZAPは月3,278円で始めやすい反面、マシンの使い方を教えてくれる人がいません。UNDEUX SUPERBODYは女性専用で宅配食まで用意する手厚さがある一方、店舗ごとの設備差や宅配食の送料が弱点です。こうした“良い点・気になる点”が、そのまま自社の打ち手を考える材料になります。
さらに、縦軸・横軸の取り方を変えれば、さまざまな傾向が読み取れます。そのなかで、自社に勝ち目のある切り口が見つかれば、その方向でサービス展開する、という選択も取れるわけです。
ただし、ここまではあくまでAIが出した「80点の土台」です。実際にどの競合を意識し、自社のLPや見せ方にどう落とし込むか——その最後の仕上げは人間の仕事になります。次の章で、その役割分担を整理します。
5. AIに任せる所と、人間が担う最後の20点
競合調査は、工程を3つに分けて考えると、どこをAIに任せ、どこを人間が担うかがハッキリします。
- 0〜20点(人間):プロンプトの設計。どの観点で何を調べるかを決める工程です。
- 20〜80点(AI):そのプロンプトをもとに、AIが競合を網羅的にリサーチする工程。ここは自動化できます。
- 80〜100点(人間+AIの壁打ち):リサーチ結果をもとに、より深く分析し、自社の具体的な打ち手に落とし込む工程です。
最後の80〜100点まで丸ごと自動化するのは避けたほうが良いと考えています。すべてを任せてしまうと、人間の感情(見込客の感情)を置き去りにした的外れな見解になりやすく、美辞麗句が並んでいても現実には売れない打ち手になりかねないからです。
5-1 リアルの情報は、AIでは取れない
ここが最も大切な注意点です。先ほども触れたとおり、AIが取得できるのは基本的にWeb上の情報まで。競合の内側に近い情報は、現場に足を運んで潜入調査したり、人づてに聞いたりと、リアルの世界でしか得られないものがあります。だからこそ、最終判断は必ずリアルで得た情報を踏まえて人間が行う必要があります。AIのリサーチを土台にしつつ、最後は自分の目と足で確かめる——この順番を崩さないことが、競合調査の質を決めます。
5-2 AIの結果は出典で裏取りする|“100点”をAIに求めない
もう一つの注意点が、ハルシネーション(AIが事実でない情報を、あたかも事実かのようにアウトプットしてしまう現象)です。リサーチ結果にも、ごく稀に誤りが混じります。ただ、DeepResearchの出力には、たいてい引用元(出典リンク)が添えられています。重要な数字や主張は、そのリンクをたどって人間が裏取りする——これも80点を100点に仕上げる作業の一部です。
しかし、もしかしたら「そこまで人間が確認するなら、AIでやる意味があるのか」と思うかもしれません。けれども、これだけの全体像を、人間では到底出せないスピードと品質で一気に作れること自体に、大きな価値があります。土台づくりをAIに任せる意味は十分にあると言えるでしょう。
特に気をつけたいのは、AIが賢くなり、難しい仕事までこなせるようになるほど、つい100点満点を期待してしまうことです。そこがAI活用の落とし穴になります。AIはあくまで80点(あるいは90点)までの土台を、ものすごいスピードで作れますが、最後の仕上げは人間が担う——この線引きが、競合調査のようなリサーチ業務でも成果を左右します。
5-3 人間が自分の目で見る深掘りの観点
とくに意識すべき競合は、自分の目で細部まで確認します。すべてをAI任せにすると、細かな違和感や工夫を拾えません。人間がパッと見たときの「印象」は、購入率や問い合わせ率に直結する大切な要素だからです。私が見るのは、たとえば次のような点です。
- Webサイトを開いた瞬間の印象
- サービス内容の見せ方
- Webサイトから最終的に何に誘導しているか
- LPのデザインや構成の順番
- 問い合わせフォームの使いやすさ
- お客様の声、事例は信頼できそうか
- スマホで流し見するだけで、内容が頭に入ってきそうか
- SNSアカウントの運用(プロフィールの書き方、投稿の工夫)
- 口コミへの返信対応の有無
- メルマガ、公式LINEでの工夫
などなど…
良いと感じた点は自社に取り込めないかを考え、良くないと感じた点は自社で繰り返さないように気をつける。地道ですが、ここを人間が丁寧にやることで分析の精度が上がります。
5-4 弱みは、伝え方で強みに変えられる
自社が競合より明らかに劣っていて、どうしても真似できない部分があるときは、むしろ自社が良く見える「伝え方・見せ方」ができないかを考えます。ここは事業ごとに大きく変わるので、その都度AIと壁打ちしながらロジックを組み立てると有効です。
たとえば、当社のような規模の小さい会社を例にします。一般には規模の大きい会社のほうが信頼されやすいでしょう。けれども当社は組織を拡大せず、パートナーと協業する形を選んでいます。これをプラスに転じると、こう伝えられます。
- 正社員を敢えて抱えないため、会社の固定費が極端に低い
- AIをフル活用しているため、外注費も抑えられている
- 過度な売上目標を追っていない
結果として、「他社と同等以上の質のサービスを、抑えた価格帯で提供できる」という強みに変わります。一見すると弱みに見える部分を、どうプラスに転じて伝えるか。これこそ人間が考えるべき要所であり、80点のリサーチを100点の打ち手に引き上げる工程です。
5-5 自分だけで仕上げきれないときは
競合調査をAIで80点まで持っていくのは、この記事で紹介したプロンプトとDeep Researchを使えば、それほど難しくありません。大切なのは、その先です。リサーチ結果を自社の打ち手に昇華し、伝え方まで設計する100点の工程は、マーケティングの経験がものを言います。
当社は、AIとマーケティングの両面から利益づくりに伴走する顧問サービス(AIマーケティングコンサル)を、月額3万円〜の3プランで提供しています(詳細はサービス詳細ページ)。「AIで競合調査の土台は作れたが、ここからの打ち手が定まらない」などといった場合は、利益の伸びしろ壁打ちでお気軽にご相談ください。
6. よくある質問(FAQ)
Q1:競合調査にはどのAIが向いていますか?
ChatGPT・Gemini・Claude のいずれかのDeepResearch(リサーチ)機能で問題ありません。普段使っている1つで十分で、3つをそろえる必要はありません。出典付きで網羅的に調べてくれるため、洗い出しと大枠分析に向いています。ただAIによって拾う競合が少し違うので、特に重要な調査のときだけ、もう1つ足して見比べて取りこぼしを減らす、という考え方もあります。
Q2:競合は何社くらい洗い出すのが目安ですか?
本気で取り組むなら、まず10〜30社を広く洗い出します。そのうえで大枠を見て、深掘りすべき相手だけに絞り込みます。最初から数社に絞ると、見落としや思い込みが入りやすくなるので注意しましょう。
Q3:競合調査はAIに全部任せても大丈夫ですか?
AIに全部任せるのはリスクが大きいです。AIに任せられるのは80点まで、と考えると失敗しにくいです。プロンプト設計(最初の20点)と、リサーチ結果を打ち手に落とす仕上げ(最後の20点)は人間の領域、という考え方をオススメします。とくに、Webに出てこないリアルの情報も踏まえた最終判断は、人にしかできません。
Q4:マーケティングが苦手でも競合調査はできますか?
この記事で紹介した、必要な観点を盛り込んだプロンプトを使えば、苦手な方でも不可欠な視点の抜け漏れは防げます。ただ、出てきた結果をどう自社の打ち手に変えるかは経験が左右します。ご自身でももちろん最後までやれますが、心配な方は、土台はAIで作り、当社のようなAIマーケティングに関する顧問(コンサル)にご相談いただくのも有効です。
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執筆者
槙 優真
ジェネラルコンサルティンググループ株式会社 代表取締役
現役のAI顧問として、中小企業の経営者に月額3万円〜で直接伴走中。AI活用と売れる仕組みの両輪で、「実利」と「余白」を同時に高める伴走支援を提供しています。



